読みました。「雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール」
久々に小説を最後まで読んだ。面白かった。
そしてブログもやりたかったから思ったことを書いてみる。
読み終わった後で調べたんだけどキャノンボールは大砲の弾のことだって。
いや訳したら普通に分かるもんだけど、最近YouTubeとにらめっこしてばかりだったから駄目になってたみたい。いやほんとよくないわあれ。作り手は最低限の理解力で楽しめるように作ってるわ昔と違ってオススメはちゃんと機能してるわで至れり尽くせりすぎる。
ボタン押してバナナが出てくるんなら何回でも押しちゃう的な。
広告が5分おきに入るのが常態化してきてもカチカチカチカチしちゃうよね。自制しよ?
本作の主人公、これもまた私みたいに駄目な子で、あるがままを受け入れて生きてたらいつの間にか暴力やら洗脳やらに巻き込まれていっていつの間にかそれが普通になってしまった人。
YouTubeが見られるんならそれでいいやとか言っちゃう人。
腹パンチ食らってキタこれとか思っちゃう人。
それが「やけくそキャノンボール」になるまでの過程がバイオレンスまみれで書かれてるんだけど、軽快に書かれてるし登場人物もぶっとんでいるから気落ちせずに読めた。
これ↓流しながら読んでたけど合ってたからバイオレンスコメディなのかも。
ああこれはGoogle homeに「読書の時に聞く音楽」って言ったらSpotifyから流れてきただけなんで。てか「読書の時に聞く音楽」って機械に語りかけてるの最高に頭悪そう。
物語終盤の中で主人公が怒りを習得する場面があるんだけど、これがもうほんとにゾクゾクする。怒りが発露する瞬間のなんと美しいことかと思う。怒りフェチと言ってもいい。
正直このタイトルの時点で期待してたんだけど期待通りに出てきたから驚いた。それだけでお腹いっぱいだったけど「やけくそキャノンボール」になってからはアンストッパブルで話が進行してくもんだからページをめくる手が止らず最後まで読んでしまった。
正直満足しすぎてゲロ吐きそうなくらいだったけどその吐き気すら気持ちよかった。
フィクションに対して漠然と飢えてる人は読めばいいと思う。そんな本。
この前誰もいない階段の踊り場で500円玉をリノリウムの床にぶち当てるという怒りの発露が私にもあったんですけど、意外と気持ちよかったのでついでにオススメしておきます。